2016年本屋大賞第1位! 宮下奈都『羊と鋼の森』

一生懸命とはどういうことかという答えを教えてくれる気がした。僕がどうしても思ってしまう「才能とはやり続けることである」ということを、いろいろな角度で話してくれるいい小説だった。センス、才能という言葉で片づけるのではなく、ひたすら、できることをやっていく、やる勇気を持つことが重要なのだろう。凡人な僕が仕事をやり続ける勇気を与えてくれた。

印象の場所ーー

外村君の言葉、「僕は、お客さんに恵まれているなと思いました」

先輩の返答「外村くんは特別ななにかにめぐまれているわけではない」「お客さんとか、先輩とか、せいぜいその程度だろう」「つまり、外村君の実力だよ」

「些細な手がかりからピアノに最適な音を見つけることができる。突拍子にもないことにも気を付ける。その最適な音を見つけるための方法はミスリードかもしれない。でも、それを間違ってもやることが調律師の仕事なんだと思う」「自分がなにをすればいいかわからない。だから、最初は意思。やれるかどうかだ」

「調律に答えはない」-ー>「どんな仕事のやり方に答えはない」ですね。

「絶対にいい音はない」ー>「絶対という仕事の方法もない」ですね。

いろいろ心に響く言葉があった。